小型SAR衛星の開発・運用からSARデータの販売と解析ソリューションの提供を行う株式会社Synspective(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行)は、2024年3月に打ち上げた「StriX-3」および 2022年9月に打ち上げた「StriX-1」において日次干渉SAR解析向け画像のテスト観測に成功したことをお知らせします。
干渉SARは、異なる日時に同条件下で観測された複数のSARデータに高度な処理を施すことで、微小な地表の動きを計測することができる手法です。今回は異なる日時に観測された画像のペアを日次(1日回帰)で取得することに成功しました。
以下に示す画像では、連続2日間の2時期ペア画像を用いて干渉SAR解析を実施しました。カラーの画像は、SAR画像の位相の差(1回目と2回目の観測波の位相差)を色の変化で表しています。白黒の画像は、SAR画像の干渉性の高さ(1回目と2回目の観測における観測波の位相の揃い具合)を色の明るさで表しています。画像全体にわたって高い干渉性が得られていることが確認できます。これらの画像をさらに解析することにより、高さ方向の情報やミリメートルレベルの変動の検出に応用することができます。
現時点で広く使用されている大型SAR衛星では最高でも6日程度の間隔でしか画像を取得することができません。より高頻度での画像取得を可能にすることで、建設現場の安全管理や災害予測・把握などへの応用範囲が格段に広がると考えています。
当社は「中小企業イノベーション総集推進事業(SBIRフェーズ3)(経済産業省)」に採択されており、日次干渉SAR画像の安定的な提供に関する技術開発・体制構築を進めて参ります。また当社のLDM (Land Displacement Monitoring)を含めた干渉SAR解析関連のサービス構築も並行して進めて参ります。
■StriX-3 干渉SAR画像詳細
観測日時:2024年5月7日および2024年5月8日
観測場所:ブラジル ミナスジェライス州コンゴーニャス
観測モード:スライディング・スポットライトモード
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■ StriX-1 干渉SAR画像詳細
観測日時:2023年1月31日および2023年2月1日
観測場所:日本 鹿児島県桜島
観測モード:ストリップマップモード
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■ StriX 干渉SAR関連参考技術情報
「Fringe2023」 発表資料: “Synspective’s Small X-Band SAR Satellite (StriX) Constellation and its First InSAR Results” https://fringe2023.esa.int/iframe-agenda/files/presentation-141.pdf
■ 株式会社Synspectiveについて
Synspectiveは、「この世代で、人類の経済活動を、地球環境と資源を考慮した持続可能なものにする」をミッションに掲げ、独自の小型SAR衛星の開発から、より高頻度な観測を可能にする衛星群を構築し、衛星から得られるデータの販売、および、それらを利用した政府・企業向けのソリューションを提供しています。データに基づいた持続可能な経済・社会の実現を目指し、全地球規模の環境・経済活動の可視化と解析が可能なアナリティクスプラットフォームの構築から、持続可能な社会・経済活動を阻害する恐れのあるリスクを特定・評価し、専門性を持つパートナーとともにソリューションの開発・実装を行います。