小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用と衛星データの販売およびソリューションの提供を行う株式会社Synspective(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行、以下Synspective)は、2020年12月15日に打ち上げた、自社初の実証衛星である「StriX-α」が2023年10月27日(UTC)に大気圏に突入し、無事ミッションを完了したことをお知らせいたします。

 

 

当社の小型SAR衛星は、政府が主導した革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」(以下、ImPACTプログラム)の成果を応用した独自の衛星です。従来の大型SAR衛星と同等に近い性能をもったまま、小型・軽量化及び低価格化を実現することで多数機生産が可能な衛星です。

 

今回ミッション完了となった「StriX-α」は、ImPACTプログラムでの研究成果に加え、JAXAや各大学との連携により設計・開発された小型衛星用SARおよび小型衛星システムを宇宙空間での検証、また衛星データ取得後の地上システムを用いた検証により、SARデータの生成、画像化、販売と、実用化までの一連のプロセスを完遂し、その後打上げられた「StriX-β」「StriX-1」と共に、令和4年度、令和5年度と、内閣府宇宙開発戦略推進事務局が推進する「小型SARコンステレーションの利用拡大に向けた実証」などで貢献しました。

 

「StriX-α」は、2020年12月15日19時09分に、ニュージーランドの マヒア半島にある発射場からRocket Lab社のエレクトロンロケットにより、予定通りの軌道(太陽同期軌道、高度500km)への投入に成功し、その後2021年2月8日に日本初の民間による小型SAR衛星(100kg級)での画像取得に成功しました。

 

初画像取得後も順調に運用を続け、当初予定していた設計寿命*の約3年の歳月が経ち、この度、無事予定通り大気圏へ突入し、任務を完了いたしました。なお、当社では設計段階から衛星のライフサイクルにも十分に検討を実施しています。日本の宇宙活動法に準拠した対策を講じており、今回の大気圏突入に至るまで、昨今課題となっているスペースデブリの発生を抑えました。

* 実証機「StriX-α」の設計寿命は3年としており、実証・試作機から商用機へと移行するに伴い5年以上を実現する計画です。

 

現在運用中の衛星は、実証機「StriX-β」と実証商業機「StriX-1」の2機です。今後も打上げを続け、私たちはこれからも世界の効率性とレジリエンスを高めるため、着実に成果を重ねて参ります。