Aso volcano eruption

概要

2021年10月20日11時43分、熊本県阿蘇山の中丘の第1火口において噴火が発生。噴火に伴う火砕流が火口から1キロ以上、噴煙の高さは3,500メートル付近まで達し、気象台は5段階ある噴火警戒レベルを2から3に引き上げました(阿蘇山がレベル3に引き上げられるのは2016年10月8日の噴火以来となります)。

 

解析手法

今回の解析ではSAR衛星からの電波の散乱強度(※1)やコヒーレンス値(※2)のデータを活用しています。散乱強度とコヒーレンス値それぞれのデータより噴火活動に伴う火口周辺で生じたと思われる変化箇所をそれぞれ青枠ポリゴン、オレンジ枠ポリゴンで表示しています。

(※1)散乱強度:SARセンサから照射されたマイクロ波が地表などの境界線で散乱すること。散乱強度は境界面の粗さの影響を受ける。
(※2)コヒーレンス:2つの異なる時期における衛星から照射されたマイクロ波が、その位相の揃い具合によりどの程度の干渉性(干渉のしやすさ)をもつかを表す。

Before Aso eruption

噴火前

After Aso eruption

噴火後

解析結果

噴火前後のSAR衛星画像を用いた2つの手法の解析結果を見てみると、火口付近を中心に変化が生じたと思われる個所においては解析結果に一致する箇所が多く見られます。一方でそれぞれの解析手法でのみ検出された個所もある事から、今後はそれぞれの解析結果の精査を行いながら、より高精度な判定アルゴリズムを検討していく予定です。

 

まとめ

噴火活動が継続する場合や曇天等により光学画像(衛星、航空機、ドローン等)が取得できないケースにおいては、SAR衛星データを用いた噴火活動モニタリングは有用である、と考えられます。

Synspectiveは、独自の小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行っており、すでに運用を開始した初号機を含め、2020年代後半までに30機の衛星コンステレーション構築を目指します。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内に衛星が到達し観測することが可能となります。従来の光学衛星や航空機・ドローンによる観測方法とは異なり、SAR衛星は全天候型の地上観測が可能なため、より広い範囲での地盤変動等を迅速に把握することが可能です。

 



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