衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR衛星の開発・運用を行う株式会社Synspective(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行)は、小型SAR衛星「StriX-3(ストリクス・スリー)」の打上げについて、以下のとおりお知らせします。
■ 打上げ予定日
打上げ予定期間は3月9日(UTC)から14日間となります。
*最終的な打上げ日時は、日が近くなった段階で確定します。ローンチミッションページにて、最新情報を随時お知らせいたしますので、ご確認ください。
StriX ローンチミッションページはこちら
URL: https://synspective.com/jp/mission-strix3/
■ 打上げロケット・場所
打上げロケット:Rocket Lab社 Electronロケット
打上げ場所:ニュージーランド・マヒア半島
■ 投入軌道
太陽同期軌道、高度561km
■ StriX-3(ストリクス・スリー)について
これまで打上げたStriX-α、βにおいては実証機、そしてStriX-1は商用のための実証機という立ち位置でした。
今回打ち上げる「StriX-3」は新規設計の衛星ではなく、「StriX-1」と同じ設計理念に基づきつつ、これまでの知見を反映し製造・運用するものになります。今後のSAR衛星コンステレーション構築に向け、複数の衛星を同時並行で製造していくため、同機は、効率的な生産体制の構築を目指した衛星とも言えます。また、StriX-3ではこれまでに比べて撮像頻度を高める仕様となっており、顧客に提供できるデータの量が大幅に増加します。
なお、今回の打ち上げが、「StriX-2」ではない理由は、すでに弊社では複数の機体製造を同時並行的に進めており、それぞれの製造状況に応じて準備が整った機体から次々と打ち上げていきます。そのため、特定の機体の打ち上げ順番は一定ではなく前後することがあります。「StriX-2」についても我々の製造ラインにはしっかりと組み込まれており、近い将来に打ち上げる予定です。
■ StriX-3 パフォーマンステーブル
周波数バンド | X バンド | |
観測モード | ストリップマップモード | スライディングスポットライトモード |
画像サイズ
(撮像幅[km] × 撮像域の⻑さ[km]) |
10-30 × 50-70 | 10 × 10 |
分解能
(アジマス(m)×レンジ(m)) |
2.6 × 3.6 | 0.9 × 0.9 |
偏波 | VV | |
再訪周期 | 12時間毎 | |
重量 | 100kg 級 |
StriXについてはこちらからもご覧ください→ https://synspective.com/jp/satellite/satellite-strix/
■弊社コメント
代表取締役CEO 新井元行
これまで3機の打上げと軌道投入を成功へと導いてくれたロケット・ラボのチームと、また一緒にチャレンジができることを大変嬉しく思っています。そして、両社の献身的なチームとStriX-3プロジェクトに携わったすべての人に感謝します。StriX-3は私たちの4機目の衛星です。既に契約頂いているお客様、そしてこれから新たに契約頂くお客様に、より多くのデータサービスをご利用頂けるようになります。今年は複数機の打上げによるビジネスの拡大を予定しており、本格的なコンステレーション運用に向けて、StriX-3はその最初の機体となります。この打上げを通じ、私たちは製造プロセスの理解を進めるだけでなく、衛星運用ノウハウ、データ供給量、そしてデータ解析能力を強化していきます。私たちの世代で持続可能な開発に関わるすべての課題を終わらせるため、データドリブンと集団的学習による社会の進歩を実現する、アナリティクスプラットフォーム事業を前進させていきます。
取締役 / 技術戦略室 室長 小畑 俊裕
待望のStriX-3打上げが目前に迫っていることを心から嬉しく思い、何よりもまずこのプロジェクトに携わったすべての人々に感謝を申し上げます。この衛星製造過程において、多くの知見を得ました。この知見を基に、新工場整備や複数衛星並行生産体制確立を進めて行きます。また、本衛星はこれまでの知見の反映により画像生成能力を高めており、より多くの方やユースケースにて画像を活用いただけます。弊社としても、本衛星により着実に顧客の画像取得要求に対応していくとともに、干渉SARや災害対応を含むソリューション整備を加速します。その第一歩として、StriX-3打上に向けた準備及び打上後の機能確認を確実に実施していきます。ご期待下さい。
Rocket Labについて
2006年に設立されたRocket Labは、ミッションの成功により確固たる実績を築いてきたエンドツーエンドの宇宙関連企業です。信頼性の高いロケットの打ち上げサービス、宇宙船の部品、衛星、その他の宇宙船、軌道上の管理ソリューションを提供し、宇宙へのアクセスをより早く、より手軽に、かつ手頃な価格で可能にしています。
カリフォルニア州ロングビーチに本社を構えるRocket Labは、小型軌道ロケット「エレクトロン」と衛星プラットフォーム「フォトン」の設計・製造を行っており、8トン級ペイロードロケット「ニュートロン」の開発も進めています。2018年1月の最初の軌道への打ち上げ以来、Rocket Labのエレクトロンロケットは米国で年間2番目に多く打ち上げられており、民間や公共機関のために176機の衛星を軌道に送り、国家安全保障や科学研究、宇宙ゴミ問題の緩和、地球観測、気候モニタリング、通信などの業務を可能にしています。Rocket LabのPhoton宇宙船プラットフォームは、NASAの月や火星へのミッション、そして初の民間商業ミッションである金星探査の補佐を選ばれています。Rocket Labは2つの発射施設に3つの発射台を持ち、その中には現在稼働中のニュージーランドの民間軌道発射場の2つの発射台と、2022年初頭に運用を開始する予定の米国バージニア州のものが含まれています。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください:www.rocketlabusa.com