A.N.(Accounting Manager):2020年入社。日常の会計業務からIPOに向けた体制強化までを担う。
M.N.(Legal & IP Manager):2018年入社。契約業務、知財、リスクコンプライアンスなど法務全般を統括。
H.F.(HR Manager):2019年入社。採用、労務、育成など人事領域全般と総務領域の一部を管轄。
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衛星も、ソリューションサービスもまだ形になっていなかった創業期から会社を支え、事業の成長とともに組織の「守り」を固めてきた管理部門。今回は、経理(Accounting)、法務(Legal)、人事(HR)の各部門を率いる3名のマネージャーにインタビュー。創業当時のエピソードから、組織が急成長する過程での苦労、そしてSynspectiveで活躍できる人物像まで、語ってもらいました。
インタビュアー(PR): 皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。まずは自己紹介を兼ねて、現在の役割について教えていただけますか。
A.N.(Accounting): 私のチームでは、日々の会計業務の取りまとめはもちろん、月次・年次の決算管理、監査法人や税理士の先生方との連携などを担当しています。特に上場前は、IPOという大きな目標に向けて、外部開示資料の作成や内部統制の構築など、経理体制の強化を主導してきました。現在は2名のメンバーと共に、決算業務や新しい会計基準への対応など、業務範囲を広げながら日々奮闘しています。
M.N.(Legal): 法務のメインは契約業務になります。Synspectiveは、衛星の製造からデータ販売までを一気通貫で行う、世界でもユニークな事業モデルなので、契約も非常に複雑です。製造業的な側面もあれば、データ販売の側面もある。そういった特殊な事業に対応する契約書の作成や交渉が主な業務です。その他、知財戦略として特許出願や商標登録の実行、社内のリスク管理やコンプライアンス体制の強化も担っています。
H.F.(HR): 人事マネージャーのミッションは、「人」の側面から組織の成長とカルチャー醸成に貢献することだと考えています。具体的には、採用、労務、育成、評価、エンゲージメント向上など、人事に関する業務全般をマネジメントしています。その他、総務領域も一部見ていますね。現在はHRメンバーそれぞれの目標達成をサポートしつつ、業務の仕組み化を進めたり、日々発生する様々な課題の解決に取り組んでいます。
インタビュアー(PR): 皆さんは、会社がまだ数名から十数名だった頃に入社されていますよね。今でこそ200人を超える組織になりましたが、当時はどんな様子だったのか、ぜひ教えてください。
M.N.(Legal): 私が入社した頃はまだ4、5人しかいなくて、とにかく社長(新井)のアイデアと「これをやるんだ!」という熱量に、みんなが「よし、やろう!」と引っ張られていく感じでした。次から次へとアイデアが出てくるので、それをどう整理して形にしていくか、という管理部門としてのチャレンジはありましたが、活気にあふれていましたね。それぞれの専門性を活かして、とにかく会社を前に進めようというマインドセットが非常に強かったです。
A.N.(Accounting): 私が入社したのはちょうどコロナ禍が本格化した2020年4月で、最終面接以外はすべてオンラインでした。入社初日に会社に行ったら、まず自分でPCのセットアップをするところから始まって、少し戸惑ったのを覚えています(笑)。最初は生身の同僚と会うことも少なくて、バーチャルな世界で仕事をしているような不思議な感覚でした。でも、この会社は創業時から「いつでもどこでも仕事ができる」という前提で仕組みが作られていたので、世の中が混乱する中でもスムーズにリモートワークへ移行できたのは、今思えばすごいことだったなと感じます。
H.F.(HR): 私の頃も30人くらいで、銀座の小さなシェアオフィスにぎゅうぎゅう詰めで仕事をしていました(笑)。当時は人事機能といっても、採用と給与計算くらいしかなくて、オンボーディングの仕組みもありませんでした。新しく入った人にはPCを渡して「じゃあ、あとはよろしく!」という感じで。そこから「やっぱりオンボーディングは必要だよね」と、メンバーと一緒に一つひとつ制度を作っていった感じです。何もないからこそ、自分たちで作り上げていく楽しさがありました。
インタビュアー(PR): まさにカオスな状況から、組織は大きく成長したわけですね。その中で、一番の変化は何だったと感じますか?
A.N.(Accounting): 一言で言うと「ルールがしっかりしたこと」ですね。昔は良くも悪くも自由で、それぞれが好きなようにやっていた部分がありましたが、会社の成長、特にIPO(上場)を意識し始めてからは、あらゆることに「根拠」が求められるようになりました。
M.N.(Legal): まさにそれですね。特に法務や知財の領域では、契約やライセンスを、第三者に説明できる形に整理し直すのが本当に大変でした。特に創業期の大学との共同研究で生まれた特許の扱いなど、上場審査で指摘されそうな部分を一つずつクリアにしていく作業は、非常にやりがいのあるチャレンジでした。
H.F.(HR): 人事も全く同じです。それまである程度、各自の裁量に任せていた勤怠管理について、勤怠管理システムを導入し、正確な「打刻」をお願いした際には、戸惑いや、働き方を管理されることに対する抵抗の声もありました。しかし、法令遵守や労働環境の整備は、上場企業として当然のこと。働く皆さんの労働時間を適切に管理し、健康と安全を守るためにも必要であることを、一つひとつ丁寧に説明することで、会社がさらに発展していくために必要な取り組みであることを理解していただけました。
インタビュアー(PR): IPOという大きな目標が、組織を成熟させるきっかけになったわけですね。
M.N.(Legal): そうです。IPO準備が始まってからは、私たち管理部門の共通の目標がより明確になり、部門を越えて一丸となっていました。「この資料が足りない!」「あの時の議事録は!?」と、みんなで必死に資料を探したり作ったり。大変でしたけど、あの時期があったからこそ、今の強固な組織の土台ができたんだと思います。
インタビュアー(PR): 日々変化する環境で、チームの雰囲気作りやマネジメントで工夫していることはありますか?
A.N.(Accounting): 経理チームは、業務連絡用のSlackとは別に、気軽に雑談できるチャンネルがあるんです。そこで日々のちょっとしたことを共有し合っています。でも、真面目な話で言うと、定例ミーティングでは相談事を必ず事前にテキストで共有してもらうようにしています。「前提」「本題」「理由」「自分たちの意見」を整理して話すことで、他部署にも説明できる論理的な思考を養う訓練の場にもなっています。
M.N.(Legal): 以前、マネージャー陣の横の連携を強めるために会議体を提案したことがあるのですが、それぞれのチームが抱える悩みを共有する場、時には励まし合う場があることで、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と分かり、すごく救われました。チーム内では、私は比較的コミュニケーションを密に取りたいタイプです。ただ、メンバーそれぞれに心地よい距離感やスタイルがあるので、その違いを尊重しながらバランスを取るように意識しています。でも根底にあるのはお互いへのリスペクト。だからこそ、率直な意見を言い合える関係性が大切だと思っています。
H.F.(HR): HRチームでは、各メンバーが「自分たちの役割は何か」「どんな人事を目指すのか」といった上位の目的から考えるディスカッションの時間を設けています。IPOを経て組織の基礎が固まった今、次のステージに進むために、個人の目標をそこから落とし込んでいくことで、日々の業務が会社の成長にどう繋がっているかを意識できるようにしています。HRチームとしては、今後、組織変革の主導者(Change Agent)として、企業や組織の変化を積極的に推進する役割を担いたいと考えています。そのための一歩として、組織の課題や打ち手を言語化する作業にも皆で取り組んでいます。
インタビュアー(PR): それでは最後に、皆さんの経験を踏まえて、これから仲間になるかもしれない方々へメッセージをお願いします。どんな人がSynspectiveで活躍できると思いますか?
A.N.(Accounting): より高い視点から全体を俯瞰して、柔軟に行動できる人ですね。自分の業務範囲だけを見るのではなく、その仕事が他部署にどう影響するのか、会社全体にとってどういう意味があるのかを考えられる姿勢が重要です。あとは、とりあえずやってみて、走りながら考えられる人。完璧な条件が揃うことなんてないので。
M.N.(Legal): 柔軟性は本当に大事です。あとは、ポジティブな人ですね。正直、大変なことや難しい課題も多いです。そこで落ち込まずに「よし、次!」と切り替えられるメンタリティがあると、きっと楽しく働けると思います。そして、何より大切なのはリスペクトだと思います。管理部門も事業部門も、お互いの専門性を尊重し合える関係が、会社全体を強くするのだと信じています。
H.F.(HR): 成長意欲と学習意欲がある人です。AIによる業務プロセスの効率化も進み、会社のフェーズも変わっていくので、常にキャッチアップしていく姿勢は必須です。そして、周りを巻き込める人。自分の仕事が後工程の人にどう影響するかを想像し、思いやりを持ってコミュニケーションが取れる人が、結果的に大きな成果を出せると思います。ボールを投げっぱなしにするのではなく、相手が受け取りやすいようにパスを出せる人ですね。