今回は、データプロダクション部の中で衛星運用を支えるクラウドインフラを担当し、さらに社内AI推進タスクフォースの中心メンバーとしても活躍する新井雅也さんに、転職の背景、業務の実態、そしてSynspectiveで働く魅力について伺いました。

クラウドインフラで衛星運用を支える ― 技術と組織を横断する「つなぎ役」

インタビューアー(PR):まずは現在の担当業務について教えてください。

新井:私はデータプロダクション部の「Ground Control Unit(衛星管制システムを担当するチーム)」というチームに所属しています。このユニットは、衛星に対してコマンドを送信したり、衛星の状態を示すテレメトリデータを受信して解析したりと、衛星運用の中核を担うシステムを開発するチームです。その中で私は、主にクラウド基盤の設計・構築を担当しています。

クラウドリソースを単に準備するだけでなく、セキュリティ、運用性、コスト、パフォーマンスといった多面的な観点から最適な構成をデザインするのが私の役割です。また、データプロダクション部の中には複数のサブシステムがあり、それぞれに担当インフラエンジニアがいます。システムごとに要件は異なりますが、同じクラウド基盤を利用しているため、共通課題に対する横断的な整理やマイルストーンの策定、全体最適を目指す「橋渡し役」でもあります。

最近では、部を越えた取り組みとしてAI推進タスクフォースにも参画しています。AI技術を社内の業務フローにどう取り入れ、どのように開発や意思決定を変革していくかを、各部署と連携しながら模索しているところです。

転職のきっかけ ― 「エンジニアリングを、自分の意思で社会に役立てたい」

インタビューアー(PR):Synspectiveに入社される前は、どのような仕事をされていたのですか?

新井:前職では11年間、金融機関のお客様を中心に、システムの構想から設計・構築・運用まで一貫して担当していました。金融系システムは高い安定性や信頼性が求められる分、プロジェクトの一つひとつに非常に重みがあり、ITアーキテクトとして多くを学ばせていただきました。

しかしその一方で、「自分が本当に課題だと思うことに、自分の判断と責任で取り組みたい」という思いが強くなっていったんです。お客様の意向に基づくプロジェクトを遂行することはもちろん大切ですが、私にとってエンジニアリングは課題を解決するための手段です。であれば、自分自身が課題設定者となり、社会的な課題を自分の手で解決していくほうにシフトしたいと考えました。その思いが、事業会社、そしてSynspectiveという挑戦的なフィールドへの転職を後押ししました。

宇宙、グローバル、災害 ― Synspectiveを選んだ3つの理由

インタビューアー(PR):数ある企業の中で、なぜSynspectiveを選ばれたのでしょうか?

新井:Synspectiveに入社した理由は、大きく3つあります。
まず1つ目は、「宇宙」という未知のフィールドへの純粋な好奇心です。子どもの頃から星や宇宙の本を読むのが好きで、ずっと宇宙に関わる仕事に憧れがありました。社会人としてキャリアを積んでいく中でも、宇宙開発という領域は常に気になっていたんです。

2つ目は、「グローバルな環境で挑戦したい」という想いです。前職時代にインドで生活したことがあり、価値観の多様性や文化の違いに大きな刺激を受けました。「異なる文化圏の人たちと一緒に働くことが、視野の広がりや創造性を生む」、その実感を得た経験から、グローバルなメンバーとともに地球規模の課題に挑戦できる環境を求めていました。

そして3つ目は、災害への個人的な体験です。2018年、地元・北海道で胆振東部地震が発生し、祖母が住む地域が被災しました。幸い命に別状はなかったのですが、身近な人が被災する現実を目の当たりにして、「自分の技術を、人々の安心や安全に直接結びつけたい」と強く感じたんです。Synspectiveの衛星データ解析技術は、災害状況の把握や復旧支援に貢献できる可能性があります。

この3つの要素がすべて重なったのが、Synspectiveでした。

グローバル環境での挑戦 ― 英語と専門性を掛け合わせて広がる視野

インタビューアー(PR):入社後はグローバルな環境での業務も多いと伺いました。英語力の面で苦労はありませんでしたか?

新井:Synspectiveには英語学習を支援する制度があり、入社後に英語学習を始めました。毎日英語に触れ、継続してトレーニングすることで徐々に会話への抵抗もなくなっていきました。特に、私の部署や横断的なプラットフォームチームでは海外出身のメンバーも多く、日常的に英語でのコミュニケーションが発生します。最初は難しく感じても、実務を通して確実に力がつきます。

Synspectiveでは、「語学力を磨くこと=キャリアの拡張」につながると感じています。AIやクラウドの最新情報は英語で発信されることが多く、グローバルに情報を取りにいける力が、そのまま技術力の向上に直結します。制度を活用しながら、自らの成長に投資できる環境が整っている点も魅力の一つですね。

AI推進タスクフォース ― ボトムアップからトップダウンへ広がる変革の波

インタビューアー(PR):AI推進タスクフォースの立ち上げにも関わられているとお聞きしました。どのような活動をされているのですか?

新井:きっかけは、Google Cloudのグローバルイベント「Google Cloud Next 2025」に参加したことでした。そこで印象的だったのは、AIを単なるツールとしてではなく、「業務に組み込む」という思想です。多くの企業がAIをビジネスの中核に据えて動いており、そのスピード感に大きな危機感を覚えました。

帰国後、まずは自部署のデータプロダクション部でAIツールの導入を始めました。チームメンバーへのヒアリングや、ツール選定、セキュリティルール整備、予算調整など、すべてゼロからの立ち上げです。個人の試行から始まった取り組みが次第に部署全体へと広がり、最終的には全社規模のAI推進タスクフォース設立につながりました。

AIは自分の知識を広げる相棒のような存在です。知らないことに気づかせてくれるのがAIの真価だと思っています。一方、ツールとして使うだけでなく、業務文化として定着させるのが私たちの使命です。

現在は、技術・セキュリティ・法規制のバランスを取りながら、AIを安全かつ柔軟に使える環境づくりを推進中です。このボトムアップの動きが経営層にも届き、トップダウンの支援を得て、今では全社的な変革プロジェクトに発展しています。

これからは、AIとクラウドの融合によって、衛星データの価値をさらに広げていきたいと考えています。たとえば災害時に、衛星データをもとに迅速に被災状況を可視化したり、都市のインフラ管理や環境変化のモニタリング応用など。衛星から得られるデータを、「誰かの安全や安心につながる形」に変えていくのが私の目標です。

最後に ― 「好奇心を持って、変化を楽しみ、地球規模の課題解決にオーナーシップを持てる人と働きたい」

インタビューアー(PR):最後に、Synspectiveへの入社を考えている方にメッセージをお願いします。

新井:Synspectiveは、提案を受け止め、挑戦を後押ししてくれる会社です。宇宙という未知の領域に飛び込む勇気と、変化を前向きに楽しむ姿勢があれば、きっと活躍できます。「新しい技術を自分の手で社会課題の解決につなげたい」そんな想いを持つ方に、ぜひ来てほしいです。