「新たなデータとテクノロジーにより人の可能性を拡げ着実に進歩する『学習する世界』の実現」をミッションに掲げ、合成開口レーダーという電波を使うセンサーを搭載した小型SAR衛星の開発・運用と衛星データを活用したソリューションの提供を行っている株式会社Synspective。

現在、弊社では、衛星の組み立てから打ち上げロケットへの搭載までを総合的に担う「衛星開発エンジニア」を積極的に募集しています。

そこで今回は、衛星開発部AIT(衛星システム統合・検証・組立)ユニットのマネージャーである内山に、仕事内容や実際にSynspectiveで働いたからこそ分かること、働く上で大切にしている思いや今後の展望について語ってもらいました。

(※SAR:Synthetic Aperture Radar)

 

<写真>

内山 (うちやま・わたる)

民間航空機の部品に関する設計からプランニングに20年ほど携わった後、2019年10月に株式会社Synspectiveへ入社。現在、衛星開発部AIT(衛星システム統合・検証・組立)ユニットのマネージャーとして業務を担当。

 

 

■衛星の組み立てから打ち上げまでに幅広く携わる

 

──早速ですが、現在の仕事内容を教えてください。

ざっくり言うと、衛星の組み立てから打ち上げロケットへの搭載までを担うチームのマネージャーをしています。

具体的には、衛星の機械的なレイアウトとその部品の設計、組み立てのためのプランニングを行い、機器単位で開発を終えたものを最終的に衛星の中に組み込みます。それからテストですね。テストは組み込む前にも組み込んだ後にも行っています。

そして、衛星の形になったものを実際の運用時を想定した各種試験を行い、完了後、輸送業者に依頼して打ち上げ場へと輸送します。打ち上げ場では、ロケット内の指定した場所に乗せる作業を担当。設計から打ち上げまで幅広く携わっている形です。

現在も打ち上げのためにニュージーランドへ来ています。(※2022年1月にリモートにて取材)

──なるほど。打ち上げのために海外へ行くなど、変則的な働き方が多いですか?

打ち上げはイレギュラーですが、思っている以上に普通に働いています。

ベースがモノづくりなので、計画的に、工場的に働かなければいけません。集合し、みんなで作り、みんなでちゃんと同じように終わるようにコントロールしていかなければいけないわけです。なので、土日出勤のようなイレギュラーな形はあまりないですね。

そして、まだまだ手工業なところがあるので、夜遅くまで働くと次の日にダメージが残ってしまいます。安定的なパフォーマンスを発揮してもらうためにも、基本的には残業や休日出勤はしない形でチームづくりをしています。

 

──内山さんは、どういうきっかけでSynspectiveへ入社したんですか?

それが実は、大きなきっかけはなく……。エージェントから紹介されて話を聞いてみたら流れでという感じで。理由として強いて言うなら、一緒に働いてみたいなと思う人たちが多かったからです。

とてもフラットであろうとしているし、いろいろな意見を下から吸い上げようとしてくれているところがすてきだと思いました。

それまではメーカー系企業を経験してきたので、いろいろな人に報告しないと進まないことが普通だと思っていたので、「そういえばさ」などといった個人的な相談から仕事が進むことが新鮮で楽しかったです。

 

──入社以前はどのような企業に勤めていたんですか?

一番長く携わっていたのは、民間航空機の飛行機の部品作りです。設計からプランニングを20年近く担当していました。会社は一度転職しましたが、業務内容はあまり変わらず……という感じでしたね。

 

──具体的にはどういった部品を作っていたのでしょう?

分かりやすいところで言うと、飛行機の複合材、いわゆる“カーボン”と呼ばれているものです。若い時は、主翼の設計にも関わっていました。

 

 

■「本質を理解しているか」を常に問いながら仕事を

 

──実際に航空機部品を作っていたところから転職してみて、どんな違いを感じていますか?

使う技術は同じですが、ゴールに向かうアプローチは全く逆だと感じています。飛行機は安全第一であり、かつ法的にとてもチェックされている世界なので、全てにおいてルールがあるんです。反対に、ここではプロセスを確立していくので、使える技術は一緒でもやり方が全く異なっています。

 

「良かれと思ってやったことで悪いことが起きてしまう」というのが設計の世界ではよくある話なのですが、飛行機はそれを絶対にゼロにしなければいけない。はしごを踏み外さないようにルールが設定されているわけです。

対してこちらの界隈では、はしごを自分たちの手で作っているような感覚ですね。ルールを自分たちで明確化していくので、例えば何か「やった方が良いよね」と話が出てきても、誰がやるかは明確に決まっていない。自分たちで作るしかない。なので、そこを楽しめる方は衛星業界にマッチしているように思います。

大変さはもちろんありますけど、僕自身もそこが入社して成長できた部分であると感じています。

 

──入社して面白さを感じたことはありますか?

ここに来るまでは出来上がった組織にいたこともあり、人が少ない状態からいろいろな人が増えて、出来なかったことが出来るようになってきていることに楽しさを感じます。

前職でも外国工場の立ち上げを担当したことはあったのですが、自分が仕切っていてもどこか他人事だったんですよね。

衛星を用いたビジネスの業界は航空業界に比べて新しいので、まだ誰も知らないことが多く、自分たちで取りにいかなければならないので自ずと自分ごとになりました。

 

──内山さんが働く中で大切にしていることはありますか?

技術の面で言うと、本質を理解しているかは常に問いながら業務と向き合っています。考え方・設計の仕方・モノづくりの仕方全てが上辺では出来ないですね。上辺でやったことはことごとく弾かれてしまいます。テストをすると、ちょっと考え足りなかったところ、どこか気になっていたところでエラーが起きます。

修理可能な環境だと、「上手くいかなければ直しましょう」が出来るのですが、宇宙空間にいるので、そもそも壊れた理由が分からない。なので、出来る限り理詰めで考えて進めるようにしています。組織として、一段レベルが高いと感じています。

 

──技術の本質を理解して詰めていくことで、衛星の設計図がアップデートされていくということですか?

アップデートもありますが、その考えに至るまでの注意点が増えていくという方が適切かと思います。見落としポイントや起きやすいトラブルを洗い出していくイメージです。

今はとにかく分からないことだらけなので、危ないかどうかも判断できません。それを判断できるようにとことん知らなくてはいけないと思っています。

 

──入社してから驚いたことはありますか?

スピード感ですね。ここへ来て初めて「これだけ早く進むことが出来るんだ」と。今も驚いています。

 

──これまでとは具体的にどのような進め方の違いがあったのでしょう?

「待たないこと」がこれまでとの大きな違いです。待たず、無駄を覚悟して進むことで、圧倒的なスピード感を実現しているのだと思います。それでだいぶ痛い目にはあっているのですが……(笑)。

 

 

■プロ意識が高い人に来てもらえる組織に

 

──今後の展望を教えてください。

個人的には、プロ意識が高い人に来てもらえるような組織にしていきたいです。「自分はこの技術で生きるぞ」という方が来ても違和感のないようなところを目指したいですね。

とてもおこがましいですが、「グローバルでも遜色ないレベルの衛星、少なくとも日本で一番の衛星を作れる会社になりたい」という気持ちがありまして……。

品質の高い衛星を作るのとは少し違い、ユニークな衛星の作りを実現していきたいです。

 

──最後に、入社を検討されている方にメッセージをお願いします。

Synspectiveで働くことで、今までにない世界を作れるかもしれません。新しい挑戦に一緒に取り組めたらと思います。

 

──ありがとうございました!

 

 

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