衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行う株式会社Synspective(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行)は、自社2機目の実証衛星である小型SAR衛星「StriX-β」の画像取得に成功したことをお知らせします。

 

「StriX-β」は、2022年3月1日にニュージーランドのマヒア半島にある発射場からRocket Lab社のElectronロケットにより打ち上げられ、予定通りの軌道(太陽同期軌道、高度561km)へ投入されました。その後、順調に運用を行い、アジア(フィリピン マニラ)、南アメリカ(ブラジル ブラジリア)、ヨーロッパ(オランダ ロッテルダム)など世界各地の都市の撮像にも成功しました。

 

■ SAR画像

観測日時:2022年6月3日 0時頃(協定世界時)

観測場所:ブラジル・ブラジリア

観測モード:ストリップマップモード

観測日時:2022年6月5日 13時頃(協定世界時)

観測場所:フィリピン・マニラ

観測モード:スライディングスポットモード

観測日時:2022年6月3日 19時頃(協定世界時)

観測場所:オランダ・ロッテルダム

観測モード:ストリップマップモード

■ 今後の展開

Synspectiveは商用試作機である「StriX-1(ストリクス・ワン)」の打上げを年内に予定しています。加えて、今後2023年までにさらに3機、2026年前後には30機のコンステレーション(衛星群)構築を目指し、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内の観測を可能とします(6機では24時間以内)。

また、観測したデータを自動解析し、災害時の早期状況把握を実現するソリューションの開発も推進し、コンステレーションの実現と併せて、世界の災害対応能力の飛躍的な向上を目指します。

 

■株式会社 Synspective 代表取締役CEO 新井元行のコメント

複数衛星の運用実現に向けて実証2号機「StriX-β」によるデータ取得を無事達成することができ、Syspectiveメンバーおよびご参画頂いた皆様に心から感謝申し上げます。

「StriX-β」の打上げ・軌道投入・画像取得の成功により、Synspectiveは2020年に打ち上げた「StriX-α」に加えて2機体制となり、コンステレーション(衛星群)構築に向けて大きく前進しました。後に続く「StriX-1」も既に試験や打上準備を進めており、これらを通じて技術実証から事業拡大へと移行しつつあります。一方で、ここ数年でインフラ開発、災害対応、そして安全保障面でのSAR衛星データとソリューションへのニーズがより高まっています。これらに迅速に応え、引き続き、当社のビジョンである「着実に進歩する『学習する世界』の実現」に邁進します。

 

■株式会社 Synspective 取締役 / 衛星システム開発部 ゼネラルマネージャー 小畑 俊裕のコメント

今年3月1日の打上げ・軌道投入成功から画像取得まで、様々な困難を乗り越え、着実に進められていることを開発チーム一同大変嬉しく感じるとともに、ご参画頂いた皆様に感謝を申し上げます。今後は、チャレンジのモードが変わります。小型SAR衛星実証機の開発という技術的チャレンジから、顧客へのサービス提供品質の向上や、多数機生産を目指した体制・プロセスの構築というビジネス確立へのチャレンジへ。従来の宇宙開発の概念を超えた領域へ、多くのメンバー・パートナーと協力し、さらに努力してまいりますので、どうぞご期待ください。

 

以上