Attitude Control Engineer(姿勢制御エンジニア) ニコラ・シュミット
グローバルチームで革新的な衛星を目指す

Synspectiveにおけるあなた自身とチームのミッションを教えてください。

ニコラ・シュミット:私たち、オンボードソフトウェアチームは、Synspectiveの衛星が搭載するコンピュータを動かすためのソフトウェアを開発しています。私たちのオンボードソフトウェアには、主に2つの役割があります。1つ目は、衛星の運用に不可欠な電力の安定供給と機体の温度維持、安定した通信を保障することです。2つ目は、地球観測ミッションを確実に実行させること。これには、観測対象にレーダーを向けるための衛星のコントロールや、正確なタイミングでレーダーを作動させることが含まれます。

その中で、私自身の役割は、専門的な技術や知識を提供することリーダーとしてチームをまとめることです。姿勢制御エンジニアとしては、衛星の姿勢(アティチュード)制御に関連するシステムの設計・開発や試験、維持に携わっています。特に専門としているのは、ソフトウェアの検証に使用するシミュレーション環境の開発ですね。同時に、チームのマネージャーとして、8名のメンバーの日々の業務をサポートしたり、他のチームとの調整などを行っています。

あなたのバックグラウンドについて教えてください。 また、Synspectiveとの出会いや入社のきっかけは?

ニコラ: アカデミックなバックグラウンドは、制御工学と宇宙システムです。社会人になってからは、姿勢制御や軌道制御システムの設計、マルチフィジックスシステムのモデリングやシミュレーションといった分野で実績を重ねてきました。

Synspectiveに入社する直前は、MathWorksという会社で、「MATLAB」というエンジニアリングと科学の分野で幅広く使われているソフトウェアツールの開発に従事していました。技術コンサルタントとして、物理的モデリングや制御工学からデータ解析、予防保守まで多角的な専門知識と経験を得ることができました。それ以前の4年間は、ジェットエンジンやガスタービンのデータ分析や健全性のモニタリングに従事しました。

エンジニアとしては満足していたものの、2020年初頭には新たな挑戦をしたいという考えるようになりました。というのも、幼い頃からずっと宇宙産業に関心があり、これまで数々の興味深いプロジェクトに関わってきましたが、そのいずれもが宇宙とは無縁で、何か物足りなさを感じていたんです。だから、Synspectiveの存在をリクルーターから教えてもらい、新興の宇宙スタートアップでの仕事に魅力を感じました。面接の過程で、会社の明確なビジョンと未来を見据えたビジネスプランに確信を持つことができました。ここでの挑戦を決めるのは直感的な選択でしたが、後悔は全くありません。

エンジニアとして、姿勢制御などの衛星運用の核心を支えることの報酬的な側面をどのように捉えていますか?

Synspectiveに入社以降は、すべての衛星に現在搭載されている姿勢制御システムに関わっています。設計プロセスには多くのクリエイティブな仕事と問題解決が含まれますが、自分の仕事が軌道上の衛星でうまく動いているのを確認できた時の喜びは格別です。

観測中の衛星の姿勢を制御するために複雑な数学の公式を何ヶ月もかけて書き、それらをソフトウェアに実装し、ソフトウェアを何度もテストします。そうすることで、打上げ後、衛星は秒速7キロメートル以上の速度で飛行しながら、毎回的確に地球上数百キロメートルからの写真を撮影できるのです。

エンジニアとしてこんなにエキサイティングな場所があるでしょうか!

エンジニアとして、自分自身あるいはチームのスキルを維持・向上させるためには、どのような努力が必要ですか?

Synspectiveには自己学習に必要な費用をサポートしてくれる制度があるので、チームメンバーにはオンラインコースを受講したり、勉強のための本を購入したり、その他の教育の機会を積極的に利用してスキルを向上させるように奨励しています。また、それぞれの知識をチーム全体で共有することや、シニアのメンバーには積極的にジュニアメンバーの指導をするように働きかけています。

私自身は、宇宙システムの設計や制御システムに関する技術書を読み、宇宙関連のニュースをフォローしています。また、仕事ではMATLABを使っているので、新しいリリースがあれば、新機能やソフトウェアの改善について学び、その情報を社内のコミュニケーションツールで他のエンジニアと共有しています。

あなたのチームはさまざまな国からのメンバーで構成され、多様性があります。みなさん、日本で働くことについてどのように感じていますか?

私のチームだけでなく、従業員のバックグラウンドがとても多様で、大手日本企業から外国のコンサルティング会社やスタートアップまで、さまざまな経歴の人々がいます。さらに、海外のエンジニアも多く、ユニークな文化を持った組織です。本当に楽しい職場ですよ。