報道関係各位
2021年2月16日
株式会社Synspective
衛星データビジネスのスタートアップ企業Synspective(シンスペクティブ)
小型SAR衛星「StriX-α」の画像取得に成功
~設立から3年、世界のレジリエンス向上を目指し、着実に成果を重ねる~
衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行う株式会社Synspective(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行)は、本日、自社初の小型SAR衛星「StriX-α」の画像取得に成功したことをお知らせします。民間の小型SAR衛星(100kg級)の画像取得は日本初となります。
StriX-αは2020年12月15日にニュージーランドの マヒア半島にある発射場からRocket Lab社のElectronロケットにより打ち上げられ、予定通りの軌道(太陽同期軌道、高度500km)へ投入されました。その後、順調に運用を開始し、2021年2月8日に初画像の取得に成功しました。
■ SAR画像
観測日時:2021年2月8日 12時頃 (日本時間)
観測場所:アメリカ 南フロリダ
■ 今後の展開・災害リスク低減に向けて
今年2021年は、実証2号機「StriX-β」の打上げを予定しており、地表のミリ単位の変動を検出するSAR特有の解析技術「InSAR (Interferometric SAR:干渉SAR)」の軌道上実証を目標としています。
今後2023年までに6機、2020年代後半には30機のコンステレーション(衛星群)構築を目指します。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内に観測することが可能になります(6機では24時間以内)。また、観測したデータを自動解析し、災害時の早期状況把握を実現するソリューションも開発しており、コンステレーションの実現と併せ、世界の災害対応能力の飛躍的な向上を目指します。
■株式会社 Synspective 代表取締役CEO 新井元行のコメント
「衛星データソリューションの提供において最重要、かつ最難関だった自社SAR衛星でのデータ取得。ImPACTプログラムをはじめ、多くの方々の積年の思いと努力により、ついにこの偉業を達成しました。このチームに心から感謝するとともに、一緒に前進できることを誇りに思います。
今後は、データ販売サービス開始に向けて当局への申請等準備を進めていきます。また、年内に『StriX-β』を打上げつつ、自社データを利用したソリューションサービスも順次リリースする予定です。これからも、世界の効率性とレジリエンスを高めるため、着実に成果を重ねて参ります。」
■株式会社 Synspective 取締役 / 衛星システム開発部 ゼネラルマネージャー 小畑 俊裕のコメント
「開発メンバーの努力が結実し、早期実証が実現できたことを、嬉しく思っています。ImPACT白坂プログラムのメンバー及び、ご参画頂いた各企業の皆様に感謝申し上げます。今後は、より良い画像品質・ソリューション提供に向け更に努力します。また、本格化している2号機以降の開発に非宇宙産業からも製造・品質技術を導入し、パートナー企業と共に安定した生産体制を確立します。ご期待下さい。」
■ StriX-α開発について
Synspectiveは、「StriX-α」の開発に際し、内閣府の「ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)」で開発された技術を応用しました。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東京工業大学工学院廣川研究室と共にSARの高密度収納化と小型軽量化を実現、東京大学中須賀・船瀬研究室とは衛星バス機器を開発しました。慶應義塾大学白坂研究室は多様な想定ユーザーとの調整を支援いただきました。
今回の初画像取得の成果は、JAXAが推進する共創型研究開発プログラム「J-SPARC」における小型SAR技術の活用等を目的とした共創活動及びこれら大学の協力を得て、Synspectiveが軌道上実証した結果となります。
■株式会社Synspectiveについて
シンスペクティブは、データに基づき、着実に進歩する世界の実現を目指し、衛星による観測データを活用したワンストップソリューション事業を行う会社です。内閣府「ImPACT」プログラムの成果を応用した独自の小型SAR衛星により高頻度な観測を可能にする衛星群を構築し、その衛星から得られるデータの販売、および、それらを利用した政府・企業向けのソリューションを提供します。
設立:2018年2月
所在地:東京都江東区三好3-10-3
代表者:代表取締役CEO 新井元行