Synspectiveの小型SAR(合成開口レーダー)衛星実証機「StriX-β」がシンガポール南部のPasir Panjang(パシルパンジャン)港の船舶動向を撮像しました。
2020年以降、COVID-19の拡大により輸送時間の長期化や運賃の大幅な上昇が発生しました。さらに今年はロシア・ウクライナ紛争や上海のロックダウンがサプライチェーンの混乱に拍車をかけています。その一方で、世界で最も高い稼働率を誇る港の一つであり、貨物の経由地・ハブであるシンガポールのPasir Panjang港は、これらの混乱に動じることなく、24時間365日の操業を続けています。
Pasir Panjang港における貨物処理の効率性により、物流企業は世界のビジネスに遅れをとることなく、ビジネスを加速させています。
Synspectiveでは、上図のように自社衛星を活用し、港湾や船舶をより効率的かつ大規模にモニタリングすることができます。
1日1回の定期的な観測を実現するSAR衛星コンステレーションの価値
当社の衛星”StriX”は、特定の場所について、高い位置精度の画像を毎日観測することが可能です。2023年末には合計6機からなる衛星コンステレーションの構築を目指しており、実現すればアジアの主要都市をモニタリングし続けることも可能になります。
観測結果
上記では、衛星実証機「StriX-β」が撮像したSAR画像を使用し、機械学習を用いた物体検知技術にて船舶を検知しています。複数回の観測により違いを抽出し、変化を識別しています。赤い部分は、前回の観測と比較して船舶がいなくなっている部分を示し、青い部分は新たに観測された船舶を表します。このような変化を捉えることで、港における船舶の稼働率、占拠率を検出することができます。
将来のサービス内容
Synspectiveは、今後常時観測を可能にする新しいデータセットを提供する準備を進めており、これらのデータセットにより新たなビジネスの可能性を広げます。
2023年には6機、2026年前後には30機の衛星群(コンステレーション)構築を目指しています。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域でも希望するエリアに2時間以内に衛星が到達し、観測することが可能となります。