概要

豪雨や干ばつ、森林伐採、その他の要因など異常気象のために、毎年多くの森林が消滅しています。国連の報告(英文)※1によると、2015年以来、毎年およそ88,000k㎡の自然林が失われています。つまり毎週、東京都ほどの大きさの森林が消滅していることになります。

一方、世界の産業用木材の消費量は、2015年と比べると2020年にはおよそ24%増加しており、年間では4.4%増となっています (参照:Forest Information Manual 2017)(英文)。さらに世界銀行の予測では、2050年には世界の木材需要が現在の4倍になり、地球の森林資源を損なうことなく高まる需要を満たすことができるのか懸念が高まっています。

Synspectiveの衛星データソリューション「Forest Inventory Management(FIM)※2」は、衛星データによるリモートセンシングと機械学習によって、樹木の高さやバイオマス(生物体量)推定、森林タイプ(種)の分類、伐採探知、CO2吸収量推定、炭素クレジット計算など、管理領域の拡大と費用削減を実現します。

※1 OMNRF. March 2017. Forest Information Manual, Toronto. Queen’s Printer for Ontario.93 pp  ISBN: 978-1-4868-0116-9 (PDF)

※2 現段階では試作版

 

想定活用場面 

広大な領域の森林モニタリングは、主に現地調査や画像同定法によって行われるため、費用も高額で時間もかかります。森林はゆっくりと変化していくため、モニタリング期間も長期にわたることがあります。さらに、専門家や森林技術者不足も懸念されています。

Synspective Forest Inventory Management (FIM)を利用することで、森林管理に関連するさまざま立場の事業者が木材のエンドツーエンドのサプライチェーンを、スタート地点の森林から監視することができ、森林所有者が持続可能な木材生産を維持できるようサポートします。集中的で一貫性に基づいた時系列の機械学習によるソリューションで、全天候型の森林伐採の可視化を可能にします。

 

解析結果

以下の写真では、FIMの分析によって一部の森林領域が徐々に消滅していることがわかります。

©Copernicus Sentinel data [2021] | ©Synspective Inc.

以下の統計グラフは、ある森林領域の伐採作業の進捗を表したものです。これは、警告発信機能へのインプットとなり、作業中の異常行動や違法伐採を森林所有者に通知することができます。

※参考用試作データ

このソリューションは森林内の違法な活動を追跡するよう拡張することもできます。森林所有者はジオタグを追加して伐木後の領域の造林を追跡することができ、森林資源の悪化を防ぐことに役立ちます。

 

メリット

  • 同時かつ広範囲な緑地の管理や樹木の高さ推定が可能
  • 炭素クレジットのためのCO2吸収量計算用データを取得
  • 他のリモートセンシングサービスよりも低価格なモニタリングが可能

ソリューションの特徴

LiDAR、地上IoTデバイス、 GPSなどのセンサーデータをFIMに統合することで、より高精度の時空間の識見を得ることができます。上記のデータを融合することで、さらに認識を深め、ユーザー自身が保持するセンサーデータを取り入れ、本ソリューションの性能を高めることができます。 

Synspectiveは柔軟なソリューション提供に対応しており、顧客はSynspective ソリューション・プラットフォームによる統合や、弊社の本格的な自己管理ソフトフェアソリューションを選ぶこともできます。このサービスでは、作業の推移とペースを記録した統計レポートダッシュボードも閲覧できます。

まとめ 

Synspectiveは、持続可能なレジリエンスな社会の実現のため、衛星による地球観測技術と人々のインテリジェンス能力が最大限に発揮できる『学習する世界』 “Learning World” を目指しています。Synspective FIMソリューションは、SAR画像を使用した画期的な時系列森林伐採モニタリングシステムを提供し、森林での違法な活動を監視することも可能です。さらに森林所有者はジオタグを追加して伐木後の領域の森林保全が可能であり、森林資源の悪化を防ぐことに役立ちます。

FIMは、樹木の高さ推定、森林タイプ分類、バイオマス推定、炭素クレジットのポテンシャル推定など、幅広い森林関連サービスを提供します.

 

筆者について

 Abhinandan Arya – アブヒナンダン・アリャ- 

Vice President of Applied Science

弊社SAR衛星コンステレーションを使用したコアソリューションの研究開発責任者。インド工科大学(IIT)コンピューターサイエンス・工学部電気電子工学科卒業。テキサス大学オースティン校人工知能および機械学習PGP(大学院プログラム)課程修了。

 

Case Study 001: グアテマラにおける地盤変動災害に関する防災システム

「Applied Scienceは、Synspectiveで提供する衛星ソリューションの中核を担います」Abhinandan Arya, Applied Science Manager