創業から1年5か月で、宇宙スタートアップ企業として世界最速・国内最大規模の累計109億円の調達を実現したSynspective。

2019年7月26日 日本経済新聞:衛星スタートアップのシンスペクティブ、86億円調達

 

なぜSynspecitveは、創業からたった1年半で世界最速・国内最大規模の109億円を調達できたのか?

その理由についてCEOの新井さんと取締役の志藤さんに当時のお話を聞いてみました。

理由その1:時勢

新井:理由として様々な要素が絡むので、一概にこうだとは言えないのですが、あえて言えば時勢が追い風になってくれたと感じています。よくビジネスを『天地人』で例えることがありますが、『天』はいつ戦うか、『地』はどこで戦うか、『人』は何をもって戦うか。いつ戦うかはコントロールできない要素ですが、これがうまくハマりました。
まず、日本政府が宇宙開発を支援していたので、投資家が安心して投資してくれました。また、好景気で多くの企業がCVCを作っていたことに加え、この領域で有望な投資先が存在していなかったことも要因だと考えられます。技術面では画像解析とSAR衛星のコストダウンが追い風になってくれました。このような好条件が揃った中で、現実的な事業計画をつくり、優秀なチームを整えたので、投資家も安心して資金を提供してくれたのだと思います。

※出典:STARTUP DB 宇宙ビジネスのSynspective、事業の先に見据える「持続可能な社会」とは

理由その2:SAR衛星データ市場のポテンシャルと「ImPACT」等の確かな技術力

志藤:投資家にとっては「宇宙ビジネス」はこれまでビジネスとして収益を生み出すことが難しい領域と認識されていました。しかし、我々のターゲットとなるSAR衛星データの販売市場は既に存在する手堅い市場であり、かつ、SAR衛星データを使った解析の市場は今後急激に伸びていく高いポテンシャルを持っている魅力的な市場です。
さらに、このような魅力的な市場であるにも関わらず、小型SAR衛星の開発・製造に関する技術的な参入障壁が高いため、ハードウェアの競合は数社ほどしかおらず、その状況は今後も大きくは変わらないと予想しています。Synspectiveは、内閣府主導の「ImPACT」プログラムに関わった主要メンバーや、ソフトウェアについてもデータ解析のトッププレーヤーを集めることができました。このような市場の魅力や技術力の高さをベースに現実的な事業計画に落とし込んだ結果、多くの投資家に高く評価されました。

理由その3:優秀なチーム

志藤:事業計画を達成するためには、それを実行する「人」が重要となってきます。Synspectiveの創業メンバーは、人工衛星開発や衛星データ解析の領域でのトッププレーヤーが集まっています。独自の小型SAR衛星開発と衛星データソリューション開発を1つの会社で行うという今までにない事業を成功に導くであろう人材が在籍し、衛星開発においては、JAXA、慶應大学、東京大学、東工大などの多くの研究機関との共同開発体制を構築できていたことも、投資家から信頼を得ることに繋がったと考えています。加えて、CEOの実績や人柄も大きかったのではないかと思います。

 

まとめ

時勢、市場と技術力、そして優秀なチーム。1つでも欠けていたら、Synspectiveのような創業間もないスタートアップが、短期間で100億円の資金調達を実現することはできなかったかもしれません。

志藤 : 資金調達は会社のMissionを達成するための手段に過ぎません。一方で、宇宙ビジネスは他事業と比較して資金の必要額が大きく、資金力/資金調達力のある会社が勝ち抜いていくという現実もあります。Synspectiveに集まってくれたメンバーに十分な活躍の機会を持ってもらい会社のMissionを達成するために、今後も継続して資金調達を実施できる体制を構築していきたいです。

 

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