car parking image

概要

「広域地表面の継時的なモニタリング」が可能となるSARデータ解析と光学画像を合わせてデータ解析する手法を用いて日本の有名なテーマパークの駐車場の稼働状況を分析しました。

 

想定活用場面

駐車場の稼働状況から長期間の人流動向を読み解くことにより、効率的な駐車場運営及び隣接するテーマパークやショッピングセンター等の混雑緩和とともに、市場や競合分析も可能とします。また本解析手法を用いれば、駐車場のみならず、滞留車両や不審船の検知、船舶航行モニタリング、盗難防止等、他の場面でも活用が可能です。

 

解析手法

今回の解析ではSAR画像を使用し、光学衛星画像を用いて駐車場の区画を判別して重ね合わせています。
SAR画像の解析には衛星からの電波の散乱強度(※1)やコヒーレンス値(※2)などのデータを活用しています。散乱強度とコヒーレンス値それぞれのデータより駐車場における車の動きを解析し、駐車場の混雑状況の推定を可能としています。

(※1)散乱強度:SARセンサから照射されたマイクロ波が地表などの境界線で散乱すること。散乱強度は境界面の粗さの影響を受ける。
(※2)コヒーレンス:2つの異なる時期における衛星から照射されたマイクロ波が、その位相の揃い具合によりどの程度の干渉性(干渉のしやすさ)をもつかを表す。

 

解析結果

白枠部分を対象に駐車台数を時系列で解析しました。左はSARデータの解析結果、右は光学データから検出した駐車枠を組み合わせた結果です。画像のうち、緑部分は駐車場が埋まっており、紫部分は駐車場が空いていることを示しています。

 

下記に時系列ごとのグラフ(左)と解析結果(右)を示します。左のグラフは時系列の車の台数です。縦軸は車の台数、横軸はデータ取得時間を表しています。2枚目の図(13:34時点)では駐車場の占有率が93%となり、この日一番の混雑の時間帯であることが分かります。3枚目の図(19:50時点)では62%ですが、僅か約30分後の4枚目の図(20:40時点)では駐車台数が大幅に減っている事が分かります。SARデータだけで車の台数を推定することも可能ですが、光学衛星画像から取得した駐車場の枠のデータを組み合わせることで、推定精度が高くなり、占有枠や空き枠など、より詳細な情報を把握できるようになります。

 

 

まとめ

SAR画像から時系列の定点変化を、光学衛星から解析補助となる静的情報(今回の例では駐車場区画)をそれぞれ抽出して組み合わせることにより、車の動向を分析し、各施設の混雑状況などを推定することができます。

Synspectiveは、独自の小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行っており、すでに運用を開始した初号機を含め、2020年代後半までに30機の衛星コンステレーション構築を目指します。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域でも希望するエリアに2時間以内に衛星が到達し、観測することが可能となります。従来の光学衛星や航空機・ドローンによる観測方法とは異なり、SAR衛星は全天候型の地上観測が可能なため、より広い範囲での地盤変動等を迅速に把握することが可能です。

 

2022年1月 南太平洋トンガ諸島における海底火山噴火の解析を実施