2022年8月28日に南鳥島近海で発生した台風11号(ヒンナムノー)の進路に合わせてSynspectiveの小型SAR衛星「StriX-β」のStripmapモードで九州地域広域を、日毎に連続撮像いたしました。台風11号は9月5日から9月6日にかけて九州西部に接近し、各地で倒木や交通機関の乱れ等が発生したものの、幸い大規模な被害には至りませんでした。
9月4日から9月6日にかけて行った連続撮像のうち、佐賀県エリア(六角川周辺)をピックアップしました。
観測結果
この度の撮像対象エリア(佐賀県六角川周辺)およびStriX-βによる連続撮像結果は下記のとおりです。
図1. 撮像対象エリア(佐賀県六角川周辺)
図2. StriX-βによる佐賀県六角川周辺の連続撮像結果〔9月4日~9月6日〕
©Synspective Inc.
上記のように連続撮像を行うことで、対象エリアの変化を日次で観測することが可能となります。例えば、図2の左部(図3, 図4黄枠)に着目すると下部に位置する貯水池の水位が、台風の接近に従って日次で変化していることが分かります。
図3. 撮像対象エリア(佐賀県六角川周辺)(一部拡大)
©Synspective Inc.
今後の展開
Synspectiveは、小型SAR(合成開口レーダー)衛星「StriX(ストリクス)」の開発・運用を行っており、2020年の初号機の打上げを皮切りに、今後2023年中に合計6機、2026年前後には合計30機の衛星群(コンステレーション)構築を目指しています。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域でも数時間以内に衛星が到達し、観測することが可能となります。SAR衛星は、夜間および悪天候時などの状況でも定常的に観測が可能な特性を活かして、より広範囲の地表を一定の頻度で安定かつ迅速に把握することができます。