Mechanical Engineer(メカニカル・エンジニア)東方 仁貴
開かれた環境で研鑽を重ねる

Synspectiveにおけるあなた自身とチームのミッションを教えてください。

私達のチームは自社衛星「StriXシリーズ」の全般的な構造設計を担っています。それは各衛星の特定のミッション要件、予算、運用条件、信頼性などを満たすように構成、サブシステム及び装備機器の設計を行うというものです。それには製造部門を始めとした関連部門との調整やフィードバックの反映等が含まれますが、衛星が運用期間に設定されたミッションを完遂できるよう全面的な機能の追求が我々の目標です。

私自身の役割としては、チームが円滑に機能するマネージャーとしての責務を全うすることです。また、その一方で量産に向けた構造設計の最適な手法についても検討を進めています。

あなたのバックグラウンドについて教えてください。 また、Synspectiveとの出会いや入社のきっかけは?

私が初めて航空宇宙工学に触れたのは、都立高専の学生時代でした。そこで得た知識を実践に活かすために、航空宇宙事業を展開する企業に入社し、衛星やロケット、宇宙ステーションに搭載する機器の構造設計に四十年近く従事しました。キャリアを積み重ねる中で、新たな挑戦への熱望がわき上がり、国内の宇宙関連スタートアップで構造設計全般に携わった後、Synspectiveに入社しました。

Synspectiveに入社したきっかけは、これまでに培ってきた技術を未来の世代へと継承したい、という強い想いがあったことです。創業間もないスタートアップならそれを必要としてくれるのではないかとも思いました。さらに、選考プロセスの過程で話した人たちから衛星製造や衛星を通じた社会貢献への熱い思いを感じ、意気投合したことも理由の一つです。

Synspectiveでの仕事のやりがいやエンジニアとしての信条を教えてください。

開発業務、いわゆる「ものづくり」が好きですね。特に、人工衛星など宇宙機器の開発は、その多くが一点ものであるため、それぞれの開発作業に集中して取り組むことができます。それゆえに思い入れも強くなりますね。さらに、私たちSynspectiveでは衛星の製造から運用、データやソリューションの販売まで全てを自社で行っているため、自分が関わった機体の全ライフサイクルを見守ることができます。これもエンジニアとしてSynspectiveならではの魅力だと考えています。

また、私がエンジニアとして重視しているのは、自身が持つ知識や技術を次世代に引き継いでいくことです。そのために、楽しく協力しあいながら共通の目標に向かう組織の創造が不可欠です。個々の技術力を磨くだけでなく、チームメンバーと連携し、良好なチーム環境を作ることも重視しています。

エンジニアとして、Synspectiveの魅力や課題をどのように感じていますか?

私たちの強みは、新たな試みに対してオープンな文化と環境がすでに育まれていることです。エンジニアとしては、新しい技術や手法を積極的に取り入れられる環境だと思います。また、全ての衛星製造を社内で行っているため、自らの考えに基づいて設計基準等を検討し、採用することが可能です。これは、機体のミッションや運用条件に対して「最適な」基準を自分たち自身で開発することができるという、エンジニア冥利に尽きると言えるでしょう。

一方で、設計基準や作業基準の確立がまだ完全ではなく、改善の余地が見られます。しかしこれは、創業からたった5年のスタートアップとしては、些か自明の事実かもしれません。エンジニアとしては、これらの基準をこれから構築していく過程を楽しみ、達成感を味わうことがより一層の喜びとなるでしょうね。

チーム内のコミュニケーション活性化のための取り組みなどは行っていますか?

私たちのチームはこれまで、チーム全体でのミーティングが行われていませんでした。全員が同じ施設で働いていたため、個々のコミュニケーションで問題を解決できていたからです。しかし、現在はチームの人数も増えたこともあり、定期的にチームミーティングを実施することで、各メンバーが直面している課題を共有し、全体で問題解決の実施に取り組んでいます。

私たちのチームは皆、つくばに通勤しており、現場で即座にコミュニケーションを取ることができます。これにより、それぞれが抱える問題が放置されることを防ぎ、迅速に対応できるだけでなく、コミュニケーション上のエラーも起こりにくくなっていると思います。

新たなメンバーを募集中だと聞いています。どのような方と一緒に働きたいですか?

私たちのチームは、社内他部門やパートナー企業と連携してタスクを実行します。したがって、コミュニケーションスキルは必須です。また、Synspectiveでは、異なる分野から宇宙開発の領域に参入した多くの人々がいますが、新しい挑戦を好み、学習意欲が高いメンバーが多いですね。私たちのチームにもそんなメンバーが揃っており、新たに参加する人々にもそのような資質を期待しています。